言葉を発しようとしたとき、肺からの息で二枚の声帯が振動して声になるところ、その二枚がくっつきすぎて、息の流れを塞ぐために、詰まってしまうのが、難発性吃音の原因です。また、一旦発したのに、またくっついてしまうのが連発性吃音のメカニズムです。
吃音の人は、声を発しなくても分かることがあります。首が太いのです。
これは、喉の筋肉の過剰な働きが日常的におきているためだと考えています。
そうなってしまうのは、1.心理的 2.遺伝的 3.環境的(養育)ともいわれていますが、決定打がなく、よって治療法もまだ見いだせていません。それについて未だ積極的な研究がなされていないのは、自然治癒率が50%だからでしょう。
1.いつのまにかなおってた
2.歌うようになったらなおってた
3.歌うときはドモラない
自然治癒した人たちの共通点に「歌うこと」があります。
歌うときは声帯が伸び縮みして音程を調整しています。
声帯が伸びると、縮んでいるときより声帯にすき間ができて、息の流れを塞ぎません。
だから、歌うときは吃音になりにくいのです。
逆に言うと、吃音の人の多くは、歌が苦手だったり、音痴である人が少なくありません。
首が太い、歌が苦手である 、に思い当たる人は、いませんか?
裏声発声では声帯が伸び、すき間ができるので息の流れを塞ぎにくい
歌わなくても、裏声発声をすると、声帯が伸び、すき間ができるので、吃音を防ぐことができます。
裏声吃音矯正法とは
1.裏声発声では吃音になりにくいことを体験する
2.その体験を重ねることで、地声発声でも活かされると吃音が軽減することを体験する
3.吃音が軽減することを体験することで、直る可能性について自信が持てるようになる
ではここで、実際に変わっていくようすを静止画と音声でご聴きください。
裏声吃音矯正法(静止画と音声)
小児吃音の場合
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このように、裏声では吃音になりにくく、その効果が地声のときにもあらわれてくると、普段の声でも吃音になり難くなります。
裏声音読では吃音が軽減する!を体験してみよう
この原稿を
1.普段の声(地声)で音読
2.裏声で音読
3.こんどはもう少し高めの裏声で音読
4.再び、普段の声で音読
してみましょう。吃音が出やすい、「ア」「オ」をあえて多くしてあります。
どうでしたか?
4.再び、普段の声で音読 したとき、「声が軽くなった」、「吃音が減った」、と感じられたら、この方法があなたに適しているのです。
こうした訓練を続けることで、2枚の声帯が過剰にくっつくことを防ぐような声の出し方を身に付けることができます。
裏声吃音矯正法、裏声滑舌訓練法という言語訓練トレーニング
もし、あまり変化がなかった人は
1.裏声のつもりが裏声になっていなかった
2.裏声の出し方が分からなかった
という可能性があります。
上手いプレゼンは話し方
滑舌が悪いのは、原始母音が出来ていないから
言葉は、口の形と下の位置(構音)のみで作られていると思い込んでいませんか?
実は、声帯から発せられる音の段階で母音が作られているのです。
これを「原始母音」といいます。
これをつかった芸が、腹話術です。
腹話術師が操る人形の声は、ほとんどが甲高い、裏声です。
裏声は母音を作る機能を高め、喉全体を鍛えます。
下の写真のように、地声のとき「のどピコ(のどちんこ)」が垂れ下がっているのに対し、裏声では、後ろに反り上がっています。これは、筋肉の収縮具合を表していて、裏声の方が喉の筋肉が活発に動いているという証拠でもあります。)
自分でみることができますか?
滑舌が悪い人は、喉の筋肉が衰えているので、この「のどピコ(のどちんこ)」を自分でみることも辛くありませんか?
裏声滑舌訓練法(静止画と音声)
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このように、裏声で下読みすると、明瞭で躍動感あふれるナレーションに変わるのです。
裏声滑舌訓練法を体験してみよう
1.普段の地声で音読
2.裏声で音読
3.甲高い裏声で早口音読
4.普段の地声に戻して音読
いかがでしたか?
声が軽くなり、少し滑らかに音読できた感じがしませんか?
これが裏声滑舌訓練法 という言語障害のための訓練/トレーニングです。
吃音 滑舌が悪いのは個性か?
最近、メディアなどでも、「吃音を個性として認めていこう」いう傾向があるようですが、一方で「でも実はなおしたい」という心の声があるようにも思います。
「歌えなくたっていいじゃないか」と音痴を放置する人もいますが、吃音、滑舌が悪い、音痴、という問題を抱えている人に共通しているのは、声を出す機会の減少へ危惧です。
日本人の死亡原因第3位の肺炎は、声帯萎縮が関係しているといわれています。
声帯萎縮とは声を出さないことによって声帯の老化が早まり萎縮して、飲込んだ物が誤って気管に入り肺炎を起こしてしまう誤嚥性肺炎のリスクを高める症状のことです。
声を発することに抵抗があるためにその機会が減少するということは、声帯萎縮、ひいては誤嚥性肺炎のリスクが増大するということにはならないでしょうか?
どうぞ、個性として認める前に、今一度、改善に取り組んでみてはいかがでしょうか?
ヴォイスティーチャー 高牧康
プロフィールは→こちら
新しい音楽葬|歌う音楽葬・カーテンコール
ヴォイスティーチャー高牧康が主宰するNPO法人東京ベルズが、これまで楽器演奏が中心であった音楽葬から、参列者も一緒に歌えるアカペラによる音楽葬|歌う音楽葬・カーテンコール活動を始めました。